漢方薬局の日常、パニック症やうつ病・円形脱毛症に人気の桂枝加竜骨牡蛎湯、解説

漢方薬局の日常、パニック症やうつ病円形脱毛症に人気の桂枝加竜骨牡蛎湯、解説

桂枝加竜骨牡蛎湯は、漢方薬局、桂林堂薬局でも大変利用価値の高い漢方処方の一つで、マイルドな漢方処方なのに、効くときにはバッチリ効果を発揮するので、とても気に入っている漢方処方です。

この桂枝加竜骨牡蛎湯、2000年前の医学書、傷寒雑病論に記載されている漢方処方です。
約2000年の時代は、薬の副作用や効き方も含め、2000年以上も生残ってきたた証でもあります。
利用範囲が広く、風邪の初期から、神経の病気に夜尿症・小児夜泣き・体力低下・円形脱毛症・うつ病統合失調症など、こんなに単純な処方のどこにこんな働きをするのか不思議なくらいです。
ミニ解説
桂枝加竜骨牡蠣湯は吉益東洞が繁用した処方で、桂枝加朮附湯に茯苓を加味したところに妙味があります。
成分分量:桂皮4.0、大棗3.0、芍薬4.0 甘草2.0、生姜1.0、龍骨3.5 牡蛎

日本での適応症やタイプ
やせ型で腹部の筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛または腹痛があって、ときに胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気などを伴う次の諸症:神経性胃炎・慢性胃炎・胃アトニー。


【使用のポイント】

 ● 神経質な人によく効きます。★特に神経が過敏な方に合います。
 ● 腹が冷えて消化の悪い人に用います。★おなかのあたりに動機を自覚する場合もあり。
 ● ストレスによる胃痛、胃アトニーに用います。
 ● 冷え性、貧血気味、虚弱体質的な方によく効きます。
 ● 肉食の多い人の胃腸病によく効きます。