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多嚢胞性卵巣の妊娠の可能性を漢方薬的に考えました【多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣の原因は、ホルモンバランスの崩れ(男性ホルモンが増加)、卵巣代謝の悪化、肥満などといわれていますが、明確には分かっていません。

多嚢胞性卵巣の場合、基礎体温が乱れたり、月経不順、排卵があったりなかったりします。
多嚢胞性卵巣はインスリンと関係があって、インスリンが多く分泌されると、排卵しにくくなることから、インスリンが多くならないように、普段から繊維の多いものを食べる、GI値の低いものを食べるなど、おやつには甘い物を食べないなど、血糖をコントロールする事も大切です。


卵巣内で卵胞(らんぽう)が発育して排卵直前になると、成熟した卵胞の直径は20mm前後になり、エストロゲンが十分に分泌され、(「月経のおこるしくみ」)もおこるのですが、この病気では、排卵はされません。
このような状態になると、卵胞が卵巣内に多数できてしまい、多嚢胞性卵巣の状態となり、嚢胞が多数存在するとともに、白膜肥厚(はくまくひこう)がみられ、つまり、卵巣の表面がかたくなってしまい、破れにくく、排卵しにくくなっているのです。

ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)、(卵胞刺激ホルモン)がほぼ正常で、LH(黄体形成ホルモン)が高い値を示し、LH/RHテストをすると、LHが高反応を示します。この状態になると、卵胞のまわりの莢膜(きょうまく)細胞が増殖し、アンドロゲン(男性ホルモン)が高値となりやすくなります。
検査方法は、黄体形成ホルモンや男性ホルモンの濃度を測定するために血液検査などを行います。また、超音波検査でもわかります。

今回、多嚢胞性卵巣を漢方薬漢方医学的に解釈してみました
多嚢胞性卵巣は漢方で治療する人も多いようで、一度、多嚢胞性卵巣の外科的手術を行った場合でも、半年程度で穴がふさがってしまうことが多く、最終的に妊娠に至らなかった場合は漢方に頑張ってもらおうということです。


漢方の考え方によれば、多嚢胞性卵巣は、痰湿(余分な水分)とか淤血(血液の滞り)といった体内のよごれが卵巣のまわりにこびりついておこると考えられます。
このため、痰湿淤血を改善して卵巣の殻を柔らかくして、自然に排卵させるようにします。この方法は、多嚢胞性卵巣症候群を根本的に治療するとても良い方法ですが、治療にはすこし時間がかかります。

血・水の正常化、瘀血 (血液の滞り・血行不良)や余分な水である痰湿(余分な水分を取り除くことで、本来の状態にし、ホルモンバランスの崩れ、血流を良くして卵巣の働きを高めることが漢方薬の得意なことではないでしょうか。そのほか、肥満も原因の一つと考えられていますので、臓毒症の分類に入り、防風通聖散漢方薬処方の候補には入ります。痰湿治療は猪苓湯、菌陳五苓散、竜胆瀉肝湯等が考えられ、瘀血 (血液の滞り・血行不良)の漢方薬処方は数多く有り、省略させていただきました。