地震後使用が増えた漢方処方、気うつ・気滞の代表格、半夏厚朴湯

地震後、特に処方の増加したのがこの半夏厚朴湯です。
元々、古くから日本ではヒステリー球によいとされ、やはりストレス・神経症から起こり、咽喉頭異常感症とも言われています。
主な症状は、咽喉頭部や食道の狭窄感、異物感、梗塞感、心臓が締め付けられる等があります。
不快感などを訴えるが検査の異常が出ないことが多く、漢方薬局へ相談に来るケースが多いようです。
また、東洋医学漢方医学的な言い方は「梅核気」(ばいかくき)、「咽中炙臠」(いんちゅうしゃれん)などです。

半夏厚朴湯はこれらの症状のために考案された漢方処方ではありませんが、「咽中炙臠・「梅核気」・ヒステリー球があれば、半夏厚朴湯をまず第一に処方してみろというのが専門家の意見です。
   

半夏厚朴湯の効能・効用、漢方医学の考え方では気うつ・気帯に使用すると分類されています。

半夏厚朴湯とは?どんな漢方処方なのか
半夏厚朴湯は、顔色がすぐれず、神経症的傾向のある人の精神不安、動悸、めまいなどの症状に用います。神経をしずめて、心身の不安を取り去る効果・効き目のある漢方薬です。また吐き気やノドのつかえ感をとり、咳を鎮めるといった効果もあります。


半夏厚朴湯の生薬組成】
半夏…カラスビシャク(サトイモ科)の塊根/嘔吐感抑制・眼圧低下・鎮静作用など
厚朴…ホオノキの樹皮/健胃・痙攣抑制・抗菌作用など
茯苓…マツホド(サルノコシカケ科)/利尿・滋養・鎮静作用など
蘇葉…シソの葉/気を通す・血行改善・解毒作用など
生姜…ショウガの根茎/発汗・健胃作用など
シソ葉が配合されていますが、2000年前の考え方も、このシソ葉は現代で言うハーブとしての利用方針はほぼ同じです。