慢性的な副鼻腔炎・後鼻漏に辛夷清肺湯の応用範囲、漢方薬局 東京、漢方薬局の日常から、中目黒桂林堂薬局

慢性的な副鼻腔炎・後鼻漏に辛夷清肺湯の応用範囲、漢方薬局 東京、漢方薬局の日常から、中目黒桂林堂薬局
辛夷清肺湯

最近問い合わせで多くなっているのが慢性的な副鼻腔炎・後鼻漏(いわゆるちくのう症のこと)。
季節問わず、慢性的に鼻ずまり、鼻水、咽喉の乾燥感、それに咽喉の後ろに痰が落ちる後鼻漏が慢性的に続き、日常生活にも悪影響を与えます。
場合によっては風邪や花粉症に季節などで症状が少し悪化することもありますが、一年中これらの症状が続きます。

鼻閉は炎症による鼻粘膜の腫れと鼻汁の過剰分泌により生じ、鼻漏と鼻閉は慢性鼻炎の症状の一部であり、悪化した慢性鼻炎は黄色ブドウ状球菌、溶連菌等、化膿菌の炎症から、鼻腔周辺の顔面の腫れ、圧痛、鼻閉、鼻漏、顔面痛、頭痛、不眠、鼻呼吸が出来ない、悪臭、臭覚異常等の症状が発症します。



これらの症状に対応できる漢方処方の一つ、辛夷清肺湯の応用範囲を解説してみました。
後鼻漏・ 頭痛 ・においが分からない ・熱感・ 鼻づまりなどの状態によく効くようですので、慢性的に続く副鼻腔炎に朗報です。

辛夷清肺湯の成分

辛夷・知母・枇杷葉・山梔子・麦門冬・升麻・石膏5.0百合・黄芩3.0
主な用途使用方法、黄色い鼻汁が出る症状に用い、慢性の副鼻腔炎で炎症の程度が強く、乾燥して、いびき、あるいは化膿性のもの・蓄膿症など鼻腔内部に

炎症症状が強く、鼻閉息、鼻茸(はなたけ)、肥厚性鼻炎などを目標とすします。また、アレルギー性鼻炎に対しても証が合えばこの処方がつかえます。
加減方により、桔梗、ヨクイニンを加え、乾燥の激しい者は百合を倍にするとよいです。

【出典】…神農本草
中医学解説:清熱解毒・通窮・潤肺化痰・止咳

辛夷清肺湯は、肺熱による慢性副鼻腔炎あるいは咳嗽に対する処方です。辛夷は、鼻づまりをよくして頭痛をとめ、膿性鼻汁を軽減させます。知母・黄芩・山梔子・升麻・石膏は、いずれも消炎・解熱・抗菌作用をもち、炎症や化膿をしずめます。